単一旋回軌跡の作図理論 |
■トラックの「止めハンドル」旋回の作図理論
作図理論・・・・・「セミトレーラ及びフルトレーラの直角旋回軌跡図の様式」(JASO Z 006-92)(社)自動車技術会
「輸送マニュアル2000版」(社)鉄骨建設業協会、(社)日本橋梁建設協会発行
トラックの軌跡
(止めハンドル)・・・前輪外側タイヤ位置C点(旋回半径が前輪車軸中心の場合はA点)を中心とし、トラックの回転半径Rで円弧を描き、後輪延長線との交点Oを求める。O点はトラックの回転中心となる。O点を中心として前輪方向にOC=R及びOAの半径で円弧を描くと、これが前輪外側タイヤ及び前輪中心の走行軌跡となる。
次に、O点を中心に、点Aを前方方向にθ動かした軌跡上の点をA’とする。点A’を通り、前輪中心軸線GHをθ回転させ線G’H’を引く。点A’を通り、線G’H’の垂直線を引く。この2線を基にトラックの軌跡を描く。
上記の手順を繰り返すことで、走行軌跡を描くことが出来ます。
■セミトレーラの「止めハンドル」旋回の作図理論
作図理論・・・・・「セミトレーラ及びフルトレーラの直角旋回軌跡図の様式」(JASO Z 006-92)(社)自動車技術会
トラクタ部(止めハンドル) トラクタ部の旋回方法は、上記トラックの止めハンドル旋回方法と同。
トレーラ部 トレーラ部の作図方針は以下の通りである。トラクタ部の前輪車軸の中心がG0,G1,・・・と移動してゆけば、キングピンの位置はK0,K1,・・・と移動します。ここで、K0〜K1に移動した場合のトレーラ後輪軸の中間点E0の移動点E1は、次のように求めることができます。
まずK0がK1に移るとして、K1点を中心にキングピンから後輪軸中間点までの大きさ(半径L2+L5)で円弧を描き、それがK0-E0と交わる点をB1とする。次にB1とE0の2等分点をC1とすれば、移動後の後輪車軸の中点はこのK1-C1線上にある。
従って、K1点を中心にキングピンから後輪軸の中間点までの大きさ(半径L2+L5)で描いた円弧とK1−C1線との交点が第2ステップにおける後輪車軸の中点E1となる。このようにして準じステップを計算して行けばセミトレーラの車跡が求められる。
■トラックの連続旋回軌跡の作図理論(初期ハンドル角ゼロ旋回)
作図理論・・・・・「旋回軌跡による偶角部の設計について」(土木研究所資料 昭和54年1月 旧建設省土木研究所道路部道路研究室)より
トラックの軌跡 ・・・車が停止点G0から走行してG1,G2,G3・・・・と進行して行くに連れて車体のホイールベースはG0−E0からG1−E1、G2−E2、G3−E3へと順に傾き、拡幅が生じてくる。
この場合、車体の傾きを決めるのはE1,E2,E3・・・であるが、このE点は次のようにして求める。まず、E1点であるがG0がG1にくるとして、G1点を中心にホイールベースの大きさ(半径L2)で円弧を描き、それがG0−E0と交わる点をB1とする。
次にB1とE0の2等分線をC1とすれば、移動後の後輪車軸の中点はこのG1−C1線上にある。従って、G1点を中心にホイールヘ゛ースの大きさで描いた円弧とG1−C1線との交点が第2ステップにおける後輪車軸の中点E1となり、これとG1とを結ぶ線が車体の傾きとなる。
これをまとめて言えば、ステップが最初の点G0からG1へ移動すれば後輪軸の中点はE0からE1へ移動したということになる。このようにして準じステップを計算して行くことで車両の軌跡図を描くことが出来る。
■セミトレーラの連続旋回軌跡の作図理論(初期ハンドル角ゼロ旋回)
作図理論・・・・・「旋回軌跡による偶角部の設計について」(土木研究所資料 昭和54年1月 旧建設省土木研究所道路部道路研究室)
「セミトレーラ及びフルトレーラの直角旋回軌跡図の様式」(JASO Z 006-92)(社)自動車技術会
注)「セミトレーラ及びフルトレーラの直角旋回軌跡図の様式」におけるトレーラ部のプロッタ法は、「旋回軌跡による偶角部の設計について」の作図方法と同一です。
トラクタ部の軌跡 セミトレーラは、前方のトラクタ部と後方のトレーラ部がキングピンで連結された状態で走行します。従って、走行軌跡はまず先導するトラクタ部の走行軌跡を求め、次に連結部のキングピンを支点として移動するトレーラ部の走行軌跡を求めることになります。先導役のトラクタ部の旋回軌跡は次の通りです。
・・・トレーラ部車(トラクタ部)が停止点G0から走行してG1,G2,・・・・と進行して行くに連れて車体のホイールベースはG0−E0からG1−E1、G2−E2、G3−E3へと順に傾き、拡幅が生じてくる。
この場合、車体の傾きを決めるのはE1,E2,・・・であるが、このE点は次のようにして求める。まず、E1点であるがG0がG1にくるとして、G1点を中心にホイールベースの大きさ(半径L2)で円弧を描き、それがG0−E0と交わる点をB1とする。次にB1とE0の2等分点をC1とすれば、移動後の後輪車軸の中点はこのG1−C1線上にある。
従って、G1点を中心にホイールベースの大きさで描いた円弧とG1−C1線との交点が第2ステップにおける後輪車軸の中点E1となり、これとG1とを結ぶ線が車体の傾きとなる。
これをまとめて言えば、ステップが最初の点G0からG1へ移動すれば後輪軸の中点はE0からE1へ移動したということになる。このようにして準じステップを計算して行くことで車両の軌跡図を描くことが出来る。(なお、トラクタ部の旋回軌跡はトラック版の連続旋回と同じ方法です。)
トレーラ部の軌跡
セミトレーラにおいて、後方のトレーラ部の作図方法は以下の通りです。
・・・トラクタ部の前輪車軸の中心がG0,G1,・・・と移動してゆけば、キングピンの位置はK0,K1,・・・と移動する。ここで、K0〜K1に移動した場合のトレーラ後輪軸の中間点E0の移動点E1はトラクタの移動点の求め方に類似した方法で次のように求めた。
まずK0がK1に移るとして、K1点を中心にキングピンから後輪軸中間点までの大きさ(半径L2)で円弧を描き、それがK0-E0と交わる点をB1とする。次にB1とE0の2等分点をC1とすれば、移動後の後輪車軸の中点はこのK1-C1線上にある。
従って、K1点を中心にキングピンから後輪軸の中間点までの大きさ(半径L2)で描いた円弧とK1−C1線との交点が第2ステップにおける後輪車軸の中点E1となる。このようにして準じステップを計算して行けばセミトレーラの車跡が求められる。