Civil Works  シビルワークス  http://www.civilworks.jp/ 今日は


 Q & A

 以下は、ユーザーの皆様、購入前のお客様から寄せられたご質問の一部です。ご使用時の参考にして下さい。
   

 Rocksysに関するQ&A
分類 質問 回答
他のソフトと違いますか このソフトについて Q1-1.
 御社のRocksysは、フォーラムエイト社製の落石シミュレーションソフトとよく似ていますが、同じソフトなのでしょうか? 
 また、落石シミュレーション(フォーラムエイト)の作成データを、御社のRocksysデータとして流用することは可能でしょうか?(DATAコンバータ等)
A1-1.
 先ほど確認しましたが、確かによく似ているようです。しかし、フォーラムエイト社製の落石シミュレーションソフトと弊社のソフトとは全く異なるものです。従ってデータ互換もございません。
 フォーラムエイト社に確認したところ、やはり弊社のRocksysなど、先行メーカーのソフトを参考に開発したとのこと。各種設定画面のみならず、Rcksysの一番の特長である統計解析に正規性検定を導入できる点も同じようです。
 弊社が落石シミュレーションの分析に正規性検定を取り入れたのは2009年。当時はまだ誰も(国の機関でさえ)、落石シミュレーションと正規性検定を結びつけて考えている人はいませんでした。
 弊社が、統計分析に正規性検定を導入しようと考えたのは、落石シミュレーションの統計分析では、得られたデータのすべてが正規分布(もしくは対数正規分布)に従うことを前提とした解析手法だったためです。しかし、本当にそうなのか?条件等によっては、その前提が成立しないケースもあるのではないか?その思いから、その判定指標として導入を踏み切ったのが、正規性検定だったのです。
 開発当初は、この考え(必要性)に賛同してくれる人が果たしているのだろうか?と少し不安でした。
 しかしリリースして1年後、フォーラムエイトや群馬大学等の機関が、弊社の考えに賛同し、ソフトに導入したことで、弊社の当初の思想が正しく、さらに強固なものになったのではないかと考えています。
 弊社のRocksysは、マニュアルにも記載しているように、まだ未確立の落石シミュレーション手法を、少しでも完成域に近づけることを目的としています。
 その意味で、もし落石シミュレーションへの正規性検定の導入が一般的となり、さらに全国に広まれば、弊社としてそれ以上望むものはありません。
Q1-2.
 御社では、他社との共同開発や技術供与等のご経験はございますか?
A1-1.
 弊社では2009年、韓国の
(株)ベイシスソフトに対し、落石シミュレーションソフトウェア技術に関する技術供与(技術支援)をおこないました。
(株)ベイシスソフトは、弊社の技術支援によって、「iRockfal」という落石シミュレーションソフトを開発し、現在韓国国内にて鋭意展開中です(iRockfalの外観・機能は弊社Rocksysとほぼ同じ仕様となっております)。
Rockfalの紹介サイトはこちら
初期設定に関する 停止限界速度について Q2-1.
停止限界速度の入力範囲が0.01〜1.0になっていますが、どの値を入力したらよいのか皆目検討がつきません。0.01と1.0ではシュミレ-ション結果が大きく違いますし、落石対策便覧参考資料P17ではV≒0になっています。ヘルプでは現場での落石停止位置等のフイ−ルドデ−タ等を参考にユ−ザ設定する仕様のようですが、現場でのデ−タ等は分かりません。参考値、標準値はないのでしょうか。
A2-1.
確かに「参考資料」では、停止限界速度はV≒0としか記述されておりません。
従いまして、限界停止速度はゼロに近い値であるとは判ると存じます。
プログラムの入力範囲は、V=0〜1.0までの値に対応しておりますが、その範囲の幾らの値を使用すべきかについて
当方が指定することは、残念ながらできません。根拠を示すことが出来ないためです。
ただ、地表の凹凸状況や植生状況などにより、例えば凹凸が激しいような地表では比較的停止速度が大きく、逆に滑らかであれば小さいことは比較的容易に推測されますが、どの程度ならどの値なのかを示す資料はありません。
発注者に対し、説得力のある値(つまり根拠を示すことが出来る値)を設定する必要があるのであれば、
「0」を入力することも一つの選択肢かと存じます。参考資料に記述されているV≒0に最も近い値は「0」であるためです。
地形条件について 等価摩擦係数について Q3-1.
あるシミュレーションにおいて(添付データ「TEST4」)、斜面下部では運動形態が100%転がりになるのですが、この場合、地形条件の「等価摩擦係数」をかえても同じ線速度になります。等価摩擦係数は転がり運動(線運動)に影響しないのでしょうか。
A3-1.
抵抗係数Ckは残存係数αから換算式により求めますが、残存係数αは、斜面の傾斜角θと等価摩擦係数μを用いて計算します。ところが、傾斜θが小さい場合、1-μ/tan(θ)<0となりやすく、こうなると平方根が求まらないため残存係数αが求まりません。この場合、弊社ソフトでは1-μ/tan(θ)=0と考え、α=0として抵抗係数を求めています(Ck=2.50)。つまり、傾斜角が小さい斜面などでは、等価摩擦係数を少しばかり変えたとしても、1-μ/tan(θ)<0のままのため抵抗係数が変わらず、結果として線速度に影響しないわけです。
なお、1-μ/tan(θ)<0の場合に、α=0として抵抗係数を求めることに対する妥当性についてはこう考えています。つまりμ=0でない限り、徐々にθを小さくしてゆくと、いつかは必ず1-μ/tan(θ)=0となり、そのときα=0となります。さらにθを小さくすると1-μ/tan(θ)<0となりαが求まらならなくなる訳ですが、つまりα=0という値が一つの極値と考えられるため、1-μ/tan(θ)<0の場合はα=0としている訳です。
転がり摩擦係数について Q3-2.
転がり運動が100%の区間では、照査点位置がどこでも線速度が同じになる(ずっと転がり続ける)のですが、転がり運動中では摩擦抵抗による速度の減衰は考慮されないのでしょうか(「落石対策便覧に関する参考資料p15」の転がり運動の運動方程式を見ると、速度の時間変化は摩擦による抵抗が考慮されているように思われますが・・・)。言い換えれば、転がり運動から停止に遷移する条件はないのでしょうか。
A3-2.
「吉田らの手法」では、転がり摩擦係数は考慮されません。斜面の摩擦力や抵抗係数などの抵抗力は、転がり摩擦などの減衰作用とは異なります。つまり、速度を徐々に低下させるような減衰効果は加味されないわけです。従って吉田らの手法では、地面から伝わる抵抗力より転がろうとする力の方が大きければ、どこまでも転がり続けます。(どこかで停止させるためには、適当な停止限界速度を設定します。)
パラメータについて Q3-3.
地形条件の中のパラメーター(高松、下呂実験)は、どれを選んでも大差がないのか?

A3-3.
パラメートの設定につきましては、マニュアルP25をご一読下さい。
落石条件について 落石重量について Q4-1.落石条件において、落石重量の入力範囲がMax1,000kNとされている何か特別な理由はあるのでしょうか。 A4-1.
巨大な落石に質点系の落石シミュレーションを適用することは妥当とはいえず、むしろ非質点系の落石シミュレーションの方が適すると考えます。ただ、その境界重量については残念ながら明記されていません。1,000KNというのはあくまで想定値となります。
計算結果について 内部計算結果について Q5-1-1.
最大飛び出し角を1、限界速度を0.01、地形形状は一様斜面としてシミュレーションを行った場合、内部計算表示を見ると、運動形態が「転がり」と「衝突」を繰り返す結果となりますが、この理由は何なのでしょうか。「落石対策便覧に関する参考資料p17」によれば、「転がり」から「衝突」運動への遷移条件は、斜面変化(上部傾斜角>下部傾斜角)によると思るのですが、斜面は一様勾配で変化がないためこの遷移条件には当てはまらないと思うのですが・・・。
また、内部計算表示では「転がり」と「衝突」を繰り返しているのですが、照査点分析ではどの地点でも運動形態のほとんどが「飛行運動」となります。内部計算の運動形態と異なる理由は何なのでしょうか。
A5-1-1.
運動形態が「転がり」と「衝突」を繰り返す原因につきましては、シミュレーションに関するQA1をご覧下さい。
次に、内部計算の運動形態と異なる理由は、限界速度Vcrが極端に小さいためと考えられます。設定を見るとVcr=0.01m/sとなっています。これでは落石は転がりを開始した途端にすぐに限界速度を超えるため、飛行運動に遷移してしまいます。つまり転がり運動は僅かな(というより殆どない)わけです。ちなみにVcrを大きくするほど飛行運動の頻度は減り、転がり運動が増えるはずです。
Q5-1-2.
 転がり→すべり判定式、κ^2/(r^2・κ^2)・tanθ>μについて、「吉田博 工学博士」の論文で符号(<、>)が逆になっているものがありました。どちらが正解でしょうか。
  その論文では、この方程式の説明として「滑らずに転がり落ちる条件」とされていました。
A5-1-2.
 転がり→すべりの判定式(転がらずにすべり落ちる条件は、「落石対策便覧に関する参考資料」(H14.04)のP16の式(2.3.23)となります。
 この逆のすべり→転がりの判定式(つまり滑らずに転がり落ちる条件)は式(2.3.22)となり、上記とは符号が逆になります。
 ご指摘の論文は、式2.3.22の方を説明したものではないでしょうか
Q5-1-3.
プログラム上の衝突→飛行の判定式であるS<D/10(移動距離が落石径の1/10より小さい場合、と解釈しています)の出展先をお教えいただけますでしょうか。
A5-1-3.
「落石対策便覧に関する参考資料」(H14.04)のP16の式(2.3.26)です。
分析結果について Q5-2.
落石シュミレーションの計算結果の中の3)信頼値内の正規性検定がNGと表示されているが問題ないのか?
A5-2.
正規性検定は、照査点で得られたデータを統計解析した結果、正規分布(対数正規分布)に近いと判定されれば「OK」、正規分布(対数正規分布)とみなせなければ「NG」と表示されます。
従いまして、NGと表示されてもエラーではありません。NGの意味は、「得られたデータは、統計的には正規分布とはみなせませんよ」というだけのことです。
この統計処理結果を受けて、データをどう処理するかはユーザーの判断となります。
マニュアルP43にあるように、「参考資料」において、「吉田らの手法」では対数正規分布とみなして統計解析するとなっていることから、たとえ対数正規分布の判定がNGとなっていても、あくまで対数正規分布とみなして解析する方もいらっしゃるでしょう。あるいは、正規分布と対数正規分布のうち、どちらかより近い理論分布を用いて解析をおこなう方もいらっしゃるかもしれません。このように、正規性検定は、得られたデータをどのように処理するかの判断材料にしていただければ良いということです。
Q5-3.
分析結果において、最大値は全解析(100%)の最大値が表示されていますが、95%信頼値の値は95%解析時の最大値という解釈でよろしいでしょうか?
また確率値85%で設計を行いたい場合、信頼値を85%で解析を行い、結果で
表示される85%信頼値の値を用いて設計すればよろしいでしょうか?
A5-3.
95%信頼値とは、95%の確率でそれ以下となる「ある値」のことを指します。つまり、例えば身長に関する統計データを例にとりますと、もし175cm以下のデータ数が全体の95%であれば、175cmが95%信頼値となります。
統計データが正規分布に従う場合、その統計データの平均値をX~、標準偏差をσとすると、95%信頼値はX~+1.645σで表されます。詳しくはマニュアルP7,P41をご覧下さい。
また、確率値85%に関するご質問についてはYesとなります。「ある値」に対して、それ以下となるデータ数が全体数の85%である「ある値」が85%信頼値となります。
ちなみに、Rocksysではε(参考値)も合わせて表示しています。このεは、上記の算定式で求めた信頼値が、実際のデータでは何%になるのかを示したものです。本来であれば、95%信頼値を求めた場合、このεも95%になるはずです。しかし、そうはなかなかなりません(近
い数値にはなりますが・・)。これは、扱っているデータが正規分布の標準形とは少しずれている(異なる)ためと考えられます。なかなか実データが理論曲線のようになることは稀というわけです。
Q5-4.
参考資料P396の表5.5.5では、σ、2σ、3σのシミュレーション総数に占める
割合が表示されており、「90%を設計値とするため、2σの値を採用した」と
ありますが、このソフトでは割合は表示されないのでしょうか?
A5-4.
「分析結果一覧表」で表示されます。x+1σ、x+2σ、x+3σがそれに該当します。
Q5-5.
計算結果の最大値maxよりも大きな値を示す結果があるのですが、これはどういった意味でしょうか?
前回質問と重複するかもしれませんが、95%の解釈が分からないので、最大値より大きくなるケースがよく分かりません。
A5-5.
統計量が正規分布に従う場合、95%信頼値はX~+1.645σで表されます。データのバラツキが非常に大きく、それ故、標準偏差が極端に大きくなってしまった場合には、値を式に当てはめるとデータの最大値を超えてしまうこともあり得ると考えられます。
CAD出力について 軌跡図DXF出力について Q6-1.
軌跡図をdxfに出力する際に、軌跡を線分ではなくポリラインで出力することは不可能でしょうか(線分ではデータが重過ぎて作業に支障をきたすため)
A6-1.
現時点ではポリラインで出力することはできません。これにつきましては、今後の検討課題とさせてください。

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